こんにちは。トビオです。
米国REITのETFはいくつかありますが、どれを買うかを決める際に、どこが違うのか判らないってこと、ありませんか?
これまでも当ブログでは、米国REIT銘柄のひとつで、国内市場で取引できるブラックロック・ジャパンの iシェアーズ 米国リート ETF【1659】の構成銘柄とセクターの特徴を調べてきましたが、2020年5月時点における最新の状況を改めてチェックしてみました!
ファンドの概要
iシェアーズ 米国リート ETF【1659】は、米国上場のiシェアーズ・コア米国リートETF【USTR】に投資することによって、米国の不動産投資信託証券で構成される『FTSE Nareit Equity REITs インデックス(TTM 円建て)』と同水準の投資成果を目指す国内上場のETFです。
基本スペック
- インデックス:『FTSE Nareit Equity REITs インデックス(TTM 円建て)』
- 純資産総額:9,494 百万円
- 構成銘柄数:153(2020年5月15日時点の【USRT】の保有銘柄数)
- 信託報酬:0.20%以内
- 設定日:2017年09月27日
(2020年5月15日現在)
【1659】の構成銘柄は、他の米国上場のETF【IYR】【RWR】【XLRE】よりも多い153銘柄です。
信託報酬も0.20%と比較的低い設定です。これは、投資先の【USTR】の経費率が0.08%と低いためだろうと思われます。
インデックス『FTSE Nareit Equity REITs インデックス(TTM 円建て)』とは?
【1659】のインデックス『FTSE Nareit Equity REITs インデックス(TTM 円建て)』は、ニューヨーク証券取引所またはナスダックに上場するすべての不動産投資信託(REIT)から構成されています。
ただし次の様な付帯条件があります。
- 最小サイズと流動性の基準を満たす。
- 浮動株調整後の時価総額加重である。
- 実物不動産を担保とするモーゲージ以外の適格な不動産が総資産の50%以上である。(→モーゲージREITは含まない)
- 森林や木材関連の製品および活動を含む木材資産に投資するTimber REITは含まない。
- 運輸資産(道路、橋、トンネル、空港等)、エネルギー、公益事業資産(発電、燃料、パイプライン等)、水道および廃棄物管理資産と通信資産(有線ネットワーク、無線ネットワーク等)を含むインフラストラクチャ資産に投資するInfrastructure REITは含まない。
また、【1659】のインデックスは、米ドルベースで計算されるFTSE NAREIT Equity REITs インデックスの前日の終値を円建てで計算したものです。
構成銘柄の見直しは、3月、6月、9月、12月の年4回行われます。
【インデックスの特徴】
構成銘柄
2020年5月14日時点における【1659】の親ETF【USRT】の構成銘柄上位20位を下表に示します。
時価総額加重配分なので、全153銘柄のうちの上位10社で全体の約41%、上位20社で約58%を占めています。
上位10銘柄を見ていきましょう。
1位のPrologis,Incは倉庫や配送センターなどの物流系(Industrial)のREITで、こちらはeコマースを支える存在です。
2位のEquinix REIT Inc.、3位のDigital Realty Trust,Inc.はデータセンター(Data center)のREITで、情報社会を支える存在です。
4位のPublic Storageは日本ではトランクルームなどの貸倉庫(Self-storage)のREITです。
5位のAvalon Bay Communities,Inc.、6位のEquity Residentialは住宅系(Residential)のREITです。
7位のAlexandria Real Estate Equitiesはオフィス系(Office)です。
8位のWelltower,Inc.は高齢者施設や病院などのヘルスケア系(Health Care)のREITで、高齢化社会を支える存在です。
9位のRealty Income REIT Corpと10位のSimon Property Group,Inc.は商業施設系(Retail)のREITです。
セクター構成
2020年5月14日時点における【1659】の親ETF【USRT】の全構成銘柄のセクター構成をグラフにすると以下の様になっています。
1位は住宅系(Residential)、2位はデータセンター(Data center)、3位は物流系(Industrial)という順位で、ここまでで全体の約半分を占めています。
インデックス要件に従って、インフラ系REIT、森林系REIT、モーゲージREITが含まれていません。
次に、前回調査からのセクター構成変化を見てみましょう。
データセンター(Data center)と物流(Industrial)は大幅に増加傾向です。
反対に、商業施設(Retail)は前回調査時から大きく減少しています。これもコロナの影響なのでしょう。
まとめ
ブラックロック・ジャパンの【1659】は、国内に上場しているETFの中で、米国REITに投資できる希少なETFで、インフラ系REIT、森林系REIT、モーゲージREITを除く米国REIT全体に広く投資できます。
信託報酬も比較的低く、通常の国内株のように円建てで国内市場の開いている昼間に売買できる点もメリットですので、この辺りの条件を重視する場合には有力な選択肢でしょう。
まだまだ出来高は少ないですが、マーケットメイクもあるので、取引に困ることは無いと思います。
なお、【1659】のパフォーマンスについては、別記事にまとめていますので、よろしければご覧ください。↓
それでは、また!