こんにちは。トビオです。
米国REITのETFはいくつかありますが、どれを買うかを決める際に、どこが違うのか判らないってこと、ありませんか?
今回は、国内市場で取引できる米国REIT銘柄、ブラックロック・ジャパンの iシェアーズ 米国リート ETF【1659】の2018年12月における構成銘柄とセクターの特徴を掘り下げてみたいと思います。
ファンドの概要
iシェアーズ 米国リート ETF【1659】は、米国上場のiシェアーズ・コア米国リートETF【USTR】に投資することによって、米国の不動産投資信託証券で構成される『FTSE Nareit Equity REITs インデックス(TTM 円建て)』と同水準の投資成果を目指す国内上場のETFです。
基本スペック
- インデックス:『FTSE Nareit Equity REITs インデックス(TTM 円建て)』
- 純資産総額:2,133 百万円
- 構成銘柄数:160(2019年3月21日時点の【USRT】の保有銘柄数)
- 信託報酬:0.20%以内
- 設定日:2017年09月27日
(2019年3月22日現在)
【1659】の構成銘柄は、他の米国上場のETF【IYR】【RWR】【XLRE】と比べて、最も多く160銘柄です。
信託報酬も0.20%と比較的低い設定です。これは、投資先の【USTR】の経費率が0.08%と低いためだろうと思われます。
インデックス『FTSE Nareit Equity REITs インデックス(TTM 円建て)』とは?
【1659】のインデックス『FTSE Nareit Equity REITs インデックス(TTM 円建て)』は、ニューヨーク証券取引所またはナスダックに上場するすべての不動産投資信託(REIT)から構成されています。
ただし次の様な付帯条件があります。
- 最小サイズと流動性の基準を満たす。
- 浮動株調整後の時価総額加重である。
- 実物不動産を担保とするモーゲージ以外の適格な不動産が総資産の50%以上である。(→モーゲージREITは含まない)
- 森林や木材関連の製品および活動を含む木材資産に投資するTimber REITは含まない。
- 運輸資産(道路、橋、トンネル、空港等)、エネルギー、公益事業資産(発電、燃料、パイプライン等)、水道および廃棄物管理資産と通信資産(有線ネットワーク、無線ネットワーク等)を含むインフラストラクチャ資産に投資するInfrastructure REITは含まない。
また、【1659】のインデックスは、米ドルベースで計算されるFTSE NAREIT Equity REITs インデックスの前日の終値を円建てで計算したものです。
構成銘柄の見直しは、3月、6月、9月、12月の年4回行われます。
【インデックスの特徴】
構成銘柄
2018年12月31日時点における【1659】の構成銘柄上位20位を下表に示します。
時価総額加重配分なので、全160銘柄のうちの上位10社で全体の約36%、上位20社で約52%を占めています。
上位10銘柄を見ていきましょう。
まず、1位のSimon Property Group,Inc.は大型ショッピングモールの運営会社、10位のRealty Income Corp.はスーパーマーケットやコンビニその他店舗のテナント経営をしている企業で、いずれも大手の商業系(Retail)のREITです。
2位のPrologis,Incは倉庫や配送センターなどの物流系(Industrial)のREITで、こちらはeコマースを支える存在です。
3位のPublic Storageは日本ではトランクルームなどの貸倉庫(Self-storage)のREITです。
4位のEquinix,Inc.、8位のDigital Realty Trust,Inc.はデータセンター(Data center)のREITで、情報社会を支える存在です。
5位のWelltower,Inc.と9位のVentas,Inc.は高齢者施設や病院などのヘルスケア系(Health Care)のREITで、高齢化社会を支える存在です。
6位のAvalon Bay Communities,Inc.、7位のEquity Residentialは住宅系(Residential)のREITで、いずれも全米でアパートメント(マンション)を展開経営しています。
セクター構成
2018年12月31日時点における【1659】の全構成銘柄のセクター構成をグラフにすると以下の様になっています。
1位は商業系(Retail)、2位は住宅系(Residential)、3位はヘルスケア系(Health care)という順位で、ここまでで全体の約半分を占めています。
【1659】には、インデックス要件に従って、インフラ系REIT、森林系REIT、モーゲージREITが含まれていませんので、全REITセクターを含む【IYR】に比べると、セクター構成が上位セクターに集中する傾向が強くなります。
まとめ
ブラックロック・ジャパンの【1659】は、国内に上場しているETFの中で、米国REITに投資できる希少なETFで、インフラ系REIT、森林系REIT、モーゲージREITを除く米国REIT全体に広く投資できます。
信託報酬も比較的低く、通常の国内株のように円建てで国内市場の開いている昼間に売買できる点もメリットですので、この辺りの条件を重視する場合には有力な選択肢でしょう。
まだまだ出来高は少ないですが、マーケットメイクもあるので、取引に困ることは無いと思います。
なお、【1659】のパフォーマンスについては、別記事にまとめていますので、よろしければご覧ください。↓
それでは、また!