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米国ETF【SPYD】におけるREIT銘柄/セクター構成の特徴とは?(2020年5月)

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米国株高配当型スマートベータとして幾つかの魅力的なETFが上場されていますが、その中の一つ、SPDR ポートフォリオ S&P500 高配当株式ETF【SPYD】は高配当型ETFの中で唯一REITを除外していないETFです。

今回は、ETF構成銘柄中のREITに焦点を当て、その個々の銘柄とセクター構成の特徴を探りたいと思います。

(記事中データについては、2020年5月に更新しました。)

 

 

ファンドの概要

SPDR ポートフォリオ S&P500 高配当株式ETF【SPYD】は、『S&P500高配当指数(S&P 500 High Dividend Index)』への連動を目指すETFです。

 

基本スペック

  • 運用会社:State Street Global Advisors
  • インデックス:『S&P500 高配当指数(S&P500 High Dividend Index)』
  • 純資産総額:1,636 M USD
  • 組入銘柄数:70
  • 総経費率:0.07%
  • 設定日:2015年10月21日

(2020年5月13日時点)

 

次項でも述べるように、SPYDがベンチマークするインデックスの構成銘柄数は基本80銘柄なのですが、現在は70銘柄にまで減少しています。

最近のコロナ騒動の影響もあり、次のリバランスまでの途中段階で外れた銘柄がかなりあるようです。

 

インデックス『S&P500 高配当指数』とは?

『S&P500 高配当指数(S&P500 High Dividend Index)』とは、S&P Dow Jones Indices LLCが公表する指数で、配当利回りに基づき、S&P500指数の採用銘柄のうち配当利回り上位80銘柄のパフォーマンスを計測する指数です。構成銘柄はS&P500銘柄であることが条件ですので、米国の主要大型銘柄に限定して投資することになります。

他の【VYM】【HDV】【DVY】などの高配当型ETFはいずれもREITを除外していますが、これに対し【SPYD】は珍しくREITを除外しない高配当型スマートベータで、これが構成銘柄における【SPYD】の大きな特徴です。

また構成銘柄の加重方式が均等加重方式であることも特徴です。

 

【インデックスの特徴】

  • S&P500指数の構成銘柄(大型)
  • 配当利回り上位80銘柄
  • REITを除外しない
  • リバランスは年2回
  • 均等加重型

なお、【SPYD】のインデックス詳細やパフォーマンスについては、別記事にまとめていますので、よろしければご覧ください。↓

 

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構成銘柄

まず、ファンド構成上位10銘柄は以下の通りです。REIT銘柄も、4位、5位に食い込んできています。

 

  1. Gilead Sciences Inc. 2.60%
  2. General Mills Inc. 2.52%
  3. AbbVie Inc. 2.26%
  4. Digital Realty Trust Inc. 2.21%
  5. Crown Castle International Corp. 2.18%
  6. Kraft Heinz Company 2.01%
  7. Dominion Energy Inc. 2.00%
  8. Pfizer Inc. 1.98%
  9. Kellogg Company 1.97% 
  10. Verizon Communications Inc. 1.98%

(2020年5月13日時点)

 

2020年5月7日時点の全銘柄中におけるREIT銘柄は下表に示す14銘柄です。

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2018年12月31日時点が下表ですが、この時には19銘柄あり、現在(上表)のREIT銘柄数は5銘柄も減っています!

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セクター構成

ファンドのセクター構成は以下の通りです。

不動産セクター(REIT)が1位に来ています。このセクターには、それだけ配当利回りの高い銘柄が揃っているということでしょう。

 

  1. 不動産 17.60%
  2. 金融 12.85%
  3. エネルギー 12.56%
  4. 生活必需品 11.86%
  5. 公益事業 11.49%
  6. ヘルスケア 8.73%
  7. 素材 7.35%
  8. 一般消費財・サービス 6.29%
  9. コミュニケーション・サービス 6.20%
  10. 情報技術 5.08%

(2020年5月13日時点)

 

不動産セクターの中を更にREITセクターに分類したものが以下のグラフです。

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1位が商業施設系(Retail)、2位がヘルスケア系(Health care)、3位がデータセンター系(Data centers)、4位がインフラ系(Infrastructure)です。

意外なのは、まずオフィス系(Office)が9位と低い点です。

 

上記のREITセクター構成については、実はここ1年半ほどの間にかなり変化しています。

次のグラフは、2018年12月31日時点とセクター構成を比較したものです。

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データセンター系やインフラ系が大幅に増えて、1年半前までそれなりの部分を占めていた住宅系(Residential)や貸倉庫系(Self-storage)が消えています!

 

以上のセクター構成のデータから言えることとして、【SPYD】でREITに投資する場合の弱点は、『REIT銘柄数が少なく、セクター構成に偏りが生じ易く、構成内容も大きく変化する』ことです。

 

まとめ

SPDR ポートフォリオ S&P500 高配当株式 ETF【SPYD】は、米国を代表する大型株であるS&P500の構成銘柄のうち配当利回りの高い上位80銘柄(2020年5月13日時点では70銘柄)に均等に投資するETFですが、高配当型スマートベータの中では唯一REITにも投資できるETFです。

高配当パフォーマンスの魅力に加え、これ1本で普通株式REITの両方に投資できる便利さも兼ね備えています。

ただし、【SPYD】でREITに投資をする場合の弱点は、REIT銘柄数がどうしても少数になるため、セクター構成に偏りが生じたりセクター構成が変化し易いことです。

したがって、本格的に米国REITに投資するには不向きかもしれません。あくまで、高配当利回りと通常株式に対する分散効果を狙った手段としてのREIT投資という位置付けでしょう。

 

それでは、また!