こんにちは。トビオです。
配当貴族と呼ばれる企業は、その言葉の持つイメージも含め、投資家に妙に期待を抱かせる存在です。
今回は、日本🇯🇵の配当貴族指数の実力を検証し、その上で配当貴族指数への連動を目指す金融商品の中でベストチョイスはどれかを考えます。
日本の配当貴族指数とは?
日本の配当貴族指数とは、『S&P/JPX配当貴族指数』と呼ばれているものです。
S&P Dow Jones Indices LLCと、株式会社日本取引所グループおよび株式会社東京証券取引所が共同で公表する指数で、TOPIXの構成銘柄のうち、10年以上にわたり毎年増配しているか、または安定した配当を維持している50銘柄を対象とし、配当利回り加重され算出されます。
リバランス時における構成銘柄数は最低40銘柄であり、10年以上にわたり毎年増配しているか、または安定した配当を維持している銘柄数が40銘柄を下回った場合には、7年以上にわたり毎年増配しているか、または安定した配当を維持している銘柄を配当利回りの高いものから順に40銘柄になるまで構成銘柄に追加します。
構成銘柄数は40〜50銘柄なので、比較的少ないですが、インデックス構築メソドロジーに「各指数構成銘柄のウエイトは5%が上限、世界産業分類基準GICSの各セクターのウエイトは30%が上限」という分散に関する条件があり、全体の変動抑制を担保しています。
『S&P/JPX配当貴族指数』の実力
市場平均に対する優位性
『S&P/JPX配当貴族指数』はポピュラーな市場平均型指数に対する優位性を追求するスマートベータ型の指数ですので、日経平均とパフォーマンスを比較してみることにしました。
配当を含めないプライスリターンと配当を再投資した場合のトータルリターンを2009年2月2日時点を基準にした10年騰落率で比較したものが下表です。
ご覧のように、『S&P/JPX配当貴族指数』は日経平均に対しアウトパフォームしています。
急成長著しかった米国株の代表的指数である『S&P500指数』とも比較してみましたが、及ばないもののかなり健闘しており、なかなか魅力的なインデックスです。
『S&P/JPX配当貴族指数』に連動する金融商品
『S&P/JPX配当貴族指数』への連動を目指す金融商品としては、ETF、投資信託、ETNの3つが存在し、4つ目の選択肢は、自分で個別株を購入するというやり方です。
それぞれは、以下の①〜④です。
② SMT 日本株配当貴族インデックス・オープン
③ NEXT NOTES 日本株配当貴族(ドルヘッジ、ネットリターン)ETN【2065】
④ インデックス構成銘柄を個別購入
なお、①〜③については、詳細を別記事にしていますので、よろしければご覧ください。↓
①から④を検証する上での判断材料を下表に整理しました。
リスク
株価変動リスク
先述のインデックス構築メソドロジー「各指数構成銘柄のウエイトは5%が上限、世界産業分類基準GICSの各セクターのウエイトは30%が上限」がありますので、この点に関して、①〜③の株価変動リスク自体は同等と考えます。
④については、ポートフォリオの銘柄数によってリスクの度合は変わりますが、インデックスの基本銘柄数50を揃えるのは個人では大変です。
現実的な個人保有銘柄数をせいぜい10数銘柄と考えると、ポートフォリオ全体の評価額変動リスクは先述の分散条件を満たしている①〜③と比べると大きくなるでしょう。
為替変動リスク
①②④は、基本的に円建てなので直接的な為替変動リスクはありません。もちろん、為替変動により株価も影響を受けますので、間接的な為替リスクはあります。
③は米ドルで日本の資産に投資することを想定したインデックスの、更にその円換算値に連動させるため、米ドル/円為替レートの影響を直接受け、為替リスクを伴います。
流動性リスク
①の出来高はそれ程多くはないですが、マーケットメイクが入りますので売買するのに支障はないでしょう。
②は投資信託なので売買できないということは基本的にないです。
③については出来高が極端に少なく、また東証のパンフレットには「マーケットメイクなし」と記載されていますので、流動性リスクはかなり高いと思われます。
④については、『S&P/JPX配当貴族指数』の銘柄選定条件の1つに、「リバランス参照日までの3ヶ月間の1日当たり平均売買代金が3億円以上」である必要がありますので、個別株を購入する場合にも支障はないでしょう。
コスト
信託報酬(管理費用)
信託報酬については、①が 0.3024%(税込)、②が 0.4536%(税込)、③は管理費用として 0.85%、④はありません。
③の管理手数料は、①や②の信託報酬と比べてかなり高く設定されています。
売買手数料
売買手数料については、②はノーロードで購入可能です。
①③④については基本的には証券会社毎で所定の手数料がかかりますが、楽天証券・SBI証券・マネックス証券・松井証券などの大手ネット証券では、NISA口座なら売買手数料が無料となるところが増えています。
まとめ
『S&P/JPX配当貴族指数』は、TOPIXや日経平均を上回るリターンが期待できる魅力的なインデックスです。
このインデックスへの連動を目指す幾つかの金融商品の中で、投資対象としてのベストチョイスは、
であるとトビオは考えます。
欠点を探すとすれば、配当再投資の手間と、定額積立投資ができないことくらいでしょうか。
配当再投資が面倒だという方は、少しだけ高くなる信託報酬を手間賃だと思えれば、SMT 日本株配当貴族インデックス・オープンを選択されても問題はないと思います。
それでは、また!