東証REIT指数に連動するJリート型ETFの中で野村アセットマネジメントの【1343】と日興アセットマネジメントの【1345】の2つは、いずれも純資産総額が大きく日々の出来高も多いので、Jリート型ETFの購入を検討する際には有力な候補になると思います。
今回は、両者の違いを明らかにし、選択する時の判断材料を提示したいと思います。
(記事中の基本スペックおよびパフォーマンスについては、2020年5月1日時点の内容に更新しました。)
基本スペック比較
【1343】と【1345】の基本スペックを下表に示します。
両者の明確な違いは、売買単位、信託報酬、分配頻度です。
売買単位
【1343】の売買単位は10口単位で、【1345】は100口単位です。
最近の市場価格だと、前者は最少2万円以内から買えますが、後者は約16万円からしか買えません。
毎月少しづつ買って貯めていこうという場合には【1345】の最低売買金額は辛いかもしれません。
信託報酬
2020年2月13日より【1343】の信託報酬が0.155%に引き下げられました。🤗
そのため、現在では【1343】の方が【1345】よりも低コストです。
分配金支払いの頻度
【1343】の分配金支払い頻度は年4回で、Jリート型ETFとしては普通です。
一方、【1345】は年6回の隔月分配です。2ヶ月に1回分配金が貰えるのはJリートのETFの中では【1345】と【2552】くらいです。
体感的に3ヶ月に1回よりも2ヶ月に1回というのはありがたみを感じれると思います。
パフォーマンス比較
分配金利回り推移
2020年5月1日時点の分配金利回りは、【1343】が4.11%、【1345】が4.33%です。
もう少し長期間に渡って分配金利回りをプロットしたのが以下のチャートです。
ここ数年は僅かな差しかありませんでしたが、ここ最近の株価急落の影響を受けていずれのETFも上昇傾向です。
市場価格の騰落率
ここ10年間の市場価格の騰落率を比較したものが以下のチャートです。
【1343】が【1345】を少しアウトパフォームしています。
先程【1345】の分配金利回りの方が僅かに高かったですが、分配金として支払う分だけキャピタルゲインは小さくなるので、それが積もり積もった結果かもしれません。
(出所:Yahoo Finaceサイト)
運用状況比較
【1343】と【1345】各々の決算短信に記載されている当期純利益、分配金、期末剰余金を純資産総額に対する比率に換算し、その推移を比較してみます。
当期純利益
次のグラフを見る限りでは、当期純利益は両者とも年度によってプラスであったりマイナスであったりと、かなりデコボコしているため、その多寡について【1343】と【1345】のどちらがどうとは一概に言えそうもありません。
なお、【1345】の2015年データは0%ではなく、データ無しということです。以降のグラフも同様です。
分配金
分配金については、次のグラフに示すように、両者とも安定して支払われています。
期末剰余金
期末剰余金については、次のグラフに示す通り、上場から10年以上を経ていることにより、両者共かなり積み上がっていますが、【1343】よりも【1345】の方が純資産総額に対する比率は大きいです。
過去に少しずつ蓄えてきた結果なのでしょう。
まとめ
東証REIT指数に連動する2つのETF【1343】と【1345】の基本スペック、パフォーマンス、運用状況を比較してきましたが、両者の違いを整理すると以下の通りです。
- 売買単位については【1343】の方が1/10の規模で買えるので、少額投資に向いている。
- 分配金支払いの頻度については、【1343】が年4回、【1345】が年6回なので、インカム狙いの場合には【1345】の方がありがたみを感じやすい。
- 分配金利回りは【1345】の方が僅かに高そうである。
- キャピタルゲインは【1343】の方が幾分大きそうである。
両者とも上場から10年以上の運用期間があり期末剰余金も十分蓄えられているため、今後も安定した分配金支払いは期待できると思われますが、上記の様な違いも踏まえた上で、自身の投資スタイルによりフィットする方を選びたいと思います。
なお、【1343】および【1345】の個別記事もありますので、よろしければご覧ください。↓
それでは、また!