JリートのETFと言えば、東証REIT指数に連動するETFが最もポピュラーで、現在7種類が上場されていますが、今回はその中で数少ない隔月分配ETFである【1345】をご紹介したいと思います。
(記事中の基本スペック、セクター構成、パフォーマンスについては、2020年5月1日時点の内容に更新しています。)
基本スペック
まずは【1345】の基本スペックを下表に示します。
【1345】は日興アセットマネジメントのETFで、野村アセットマネジメントの【1343】に次いで早くに上場したETFです。
ベンチマークするインデックス『東証REIT指数』は、東証に上場するREIT全銘柄を対象とする時価総額加重方式のインデックスで、ほとんどのJリートのETFやインデックスファンドはこれをベンチマークしている最もポピュラーなインデックスです。
上場は2008年10月21日ですので、もう10年以上の歴史があり、総資産総額も1,953億円あり十分な規模です。
出来高はトップの【1343】ほど多くはありませんが、取引で困るほど少なくもないと思います。
売買単位が100口単位なので、現在の市場価格だと最小売買代金が今の値段で約10万円以上になる点が小口で投資したい個人投資家にとっては最大のネックでしょう。
コストに関しては、同じ『東証REIT指数』をベンチマークする他のETFがどんどん安くなってきているので、信託報酬は相対的に高い方です。
【1345】の最大の特徴は、Jリート型ETFの中では数少ない隔月分配であるということです。
分配頻度が年6回であるのと年4回とでは、体感的なありがたさが大きく違うと思います。
組入上位10銘柄
2020年5月1日時点における全63銘柄中の上位10銘柄を下表に示します。
10位までで全体の約46%を占めていますので、上位の大型銘柄集中傾向が強いです。
また、上位にはオフィス型や総合・複合型のリートが比較的多いです。
これらは他の『東証REIT指数』をベンチマークするJリート型ETFすべてに共通して言えることです。
セクター構成
2020年5月1日時点における構成内容をセクターで分類したものが以下のグラフです。
ご覧の様に、Jリートは総合・複合型リートが約40%を占め、次が約22%を占めるオフィス型リートです。
その総合・複合型もオフィス物件をメインにするものが多いので、半分以上はオフィスが占めていることになります。
パフォーマンス
基準価額の騰落率
先程の分配金利回りと同期間における基準価額の騰落率は以下の通りです。
ここ最近、株価は急落していますが、『東証REIT指数』をベンチマークする他のETFも同傾向です。
分配金利回り
2020年5月1日時点の分配金利回りは4.33%です。ここ数年は利回りの推移も安定していましたが、ここ最近の株価の急落で急上昇しています。
運用状況
直近3年間における半期ごとの純利益・分配金・期末剰余金をグラフにすると以下のようになります。
純利益は案外デコボコしていますが、剰余金がたっぷりあるので分配金は安定しています。この先も多少の収益変動があったとしても、それが短期的であれば大きく分配方針が崩れることはなさそうに見受けられます。
実際に、2017/01〜2017/07の期は純利益がマイナスであったにも関わらず、分配金は安定して支払われていることが分かります。
まとめ
Jリートの代表的ETFの1つである日興アセットマネジメントの【1345】をチェックしました。
【1345】は10年以上の歴史がある2番目に古いJリート型ETFで、これまでの運用期間の中で蓄えた剰余金の規模も大きく、安定利回りが期待できそうなETFです。
信託報酬は他の同種のETFと比べると高めですし、何よりも最低売買代金が10万円以上になるという点が一般的な個人投資家にとっては悩ましいですが、Jリート型ETFの中では数少ない隔月分配という大きな特色も持ち合わせているETFです。
それでは、また!