当ブログでは、米国および国内のREITに投資する様々なETFについて、インデックスの内容や特徴、構成銘柄やセクター、パフォーマンスについて調べてきました。
今回は、米国リート代表のBlackRock【IYR】とJリート代表の野村アセットマネジメント【1343】について、基本スペック、セクター構成、およびパフォーマンスを直接比較してみたいと思います。
(なお、基本スペックおよび【1343】のセクター構成については、2020年5月4日時点の内容に更新しました。)
基本スペック比較
【IYR】と【1343】の基本スペックを下表に示します。
【IYR】がベンチマークするインデックス『ダウ・ジョーンズ米国不動産指数』は、米国のREITや不動産関連企業など不動産セクター全体のパフォーマンスを測る指数です。
このインデックスには、時価総額下位5%カット以外には特段の除外要件がないので、【IYR】の投資対象は他の米国リートのETFと比べて比較的広範囲で、組入銘柄数は113銘柄あります。
一方の【1343】は、東証に上場する全リート銘柄を対象とする最もポピュラーなインデックス『東証REIT指数』に連動するETFです。
全REITが対象ですが、【IYR】と比べるとまだ少なく全63銘柄です。
また、【IYR】も【1343】も、国内の証券会社経由で購入できるものとしては、それぞれの分野で最も純資産総額の大きいETFです。
セクター構成比較
【IYR】と【1343】のセクター構成を比較したものが以下のグラフです。
凡例は、下から商業施設系、インフラ型、住宅型、ヘルスケア型、オフィス型、物流型、データセンター、貸倉庫型、未分類、総合・複合型、ホテル型、モーゲージ型、特殊型、森林型の順に積み上げています。
なお、米国リートのセクター分類と東証によるJリートの分類が同じではないことと、Jリートが米国リート程に1つのセクターに特化していないことにより、当ブログなりにアレンジして分類しています。
具体的には、Jリートの物流型には物流以外にインフラやデータセンターも同時に手掛ける銘柄が一部含まれています。
ご覧のように、米国米国リートは様々なセクターに広く分散されているのに対し、Jリートは総合・複合型が約40%を占めています。
この総合・複合型というのも物件内容を見るとオフィスを中心としているものがかなり多いので、オフィス特化型と合わせると、Jリートの半分以上はオフィス型というのが実態です。
パフォーマンス比較
分配金利回り
分配金利回りは、2019年4月18日時点で以下の通りで、それほど大きな差はありません。
【IYR】3.03%
【1343】3.25%
プライスリターン騰落率
直近10年間におけるプライスリターンの騰落率チャートを以下に示します。
最終的には【IYR】が少し優っていますが、それほど大きな差はありません。
また、騰落率は切り取るタイミングの違いで見え方が変わります。
まとめ
米国リート【IYR】とJリート【1343】の基本スペック、セクター構成、パフォーマンスを直接比較して見てきました。
両者の大きな違いはセクター構成にあり、様々なセクターに広く分散している米国リート【IYR】に対して、オフィス物件を中心とするJリート【1343】というのが、両者の大きな違いです。
やはり、米国の方がリート先進国なのでしょう。
日本も米国のようにもっとリート市場が発展し、バラエティに富んだ投資先が増えることを期待します。
それでは、また!